ホテル資産評価

昨日、株がまた下がった・・・・
腹八分目でナンピン買いをしているのだけど、追いつかない。
概して会社業績はそこそこ良くなっているのに、そんな悲しい状態が続いており、そろそろ手持ち資金も底をつく。
底値ドットコムが悪いのか? いや、底値ドットコナイの裁定取引が邪魔をするのか??



2日続けておちゃらけてしまったので、話題を切り替えてみよう。
今日のテーマを、試しにインターネット内で検索してみると、ある、ある、ブログも沢山ある。  多いねぇ・・・・
確かに、ホテルの売り情報は多い。
しかも手垢のついた物件が何回も出てくる・・・
CA(「キャビンアテンダント」ではなく「守秘義務契約」)なんて? と言いたい位、みんなが内容・詳細を知っている様な物件が目白押し。
そういった意味もあり、資産評価を別の切り口でせめてみた。



売買成立の基本は価値と価格のマッチングだろうが、これがバランスしない。
売り手側の資産価値評価が正しくないのか?
アップサイドを狙い過ぎて高値掴みをしてしまった物件をもてあまし、マーケットの動向をみようとしているのか?
中途半端な意志で、マーケットに出さなければよいのに、と思ってしまう。
あるいは、買い手側の評価が、リスク折り込み過ぎで、低いのか??
勿論、ホテル購入に対するファイナンスがつき難いといった外的要因もあるが、、、、
でも、この様な時こそ買い時、という側面もあろう。



市場に出回っているホテルの社員は、どのような気持ちで日常業務をこなしているのだろう?
事情は少し異なるが、同様の渦中にいた経験で言うと、社員のモチベーションは著しく落ちる!
外から声のかかる社員は、辞めていくことも多い。
自分の会社がどーなるのか? そんなことが分からない時に、経営者は社員が頑張ることができると思っているのだろうか?
お客様から「君のホテル、売りに出ているよ。」と言われる社員の気持ちを分かって欲しい。
結果としてホテル資産価値が下がることになることに気が付いているのだろうか?
ついついその辺りを心配してしまう。



ホテルはオフィスビルとは異なり、生もの。
つまり、労働集約型産業であり、ホテル運営組織により価値が大きくぶれることを理解する必要がある。
おひげを生やした賢い人が、本社から檄を飛ばしても、現場に応える心がなければ価値向上は望めない。
本社では「現場は分かっていない。何を考えているのか? どうして動かないのか?」と文句を言っているが、現場では、同じ内容を「現場→本社」に置き換えて文句を言っている。
往々にして、売買によりオーナーが変わる場合、社員の雇用条件は変更され、社員側に言わせれば「業績リンクで不安定、手取りが下がる」となり、本社はそのことを整理し過ぎて忘れてしまう。
また、立派なパンフレットに書かれた内容と現場での提供サービスにマイナスギャップが出てくれば、それでお終い、となる。



ホテル売買により、ホテル名の変更が発生することも多々ある。
ビル名称の多くが「所有者+地名」が標準だったオフィスビルが持ち主の交代によって意味不明(?)のカタカナ名に変わる様に、当然にホテル名も変わっている。
また、空力デザインにより車デザインに差が無くなったことと同様、ホテルブランドによるホテルデザインに差が無くなった。
昔は、ブランド毎にそれぞれの雰囲気があり、その雰囲気にそれぞれにファンが付いていた。
世界最大、複数ブランドを持つ米系会社では、S・・ホテルはこれ、W・・ホテルはこれ、といった様に、パブリックエリアに流す「香」を決めていると聞く。
建物・内装でブランド個性が失われた今、「香」による差別化もひとつの方法ではあろう。



これまで、多くのホテルブランド変更(取り込み)に携わってきた経験のなかで、利用客の厳しい声を鮮明に覚えている。
「看板が変わり、制服が替わり、少しお化粧直しをしただけで、何故この様な価格設定になるの? 君も、あのスタッフも、昔と一緒じゃない。説明して!」
自社ブランドのコンセプトがホテル社内に浸透するのには、非常に時間がかかる。
社員に納得感がないと、「一歩、前へ」の動機づけができない。
また、「五感に訴える的なサービス」は、「わかりやすいサービス」を求める多くの利用客について行けない。
この辺りが知恵の出しどころであり、資産価値向上に求められるポイントであろう。
でも、難しい。



ホテル資産評価の現場では、ややもすると、ホテル施設そのものに目がいき、運営組織・要員および運営システムに対する評価が疎かになることが多々ある。
『自社の運営システムを導入し、新たに要員採用をする』、と割り切っても、利用客および外部関係者は、昔の名前(旧ブランド)を忘れない。
利用客を運ぶことの多いタクシーの運転手も、併せて忘れない。
ホテルは生もの故、丁寧かつ目線を下げたインナーコミュニケーション無しで、机上の施策およびブランド変更だけで『V字回復&即・資産価値向上!』なんて有り得ない、と断言できる・・・・




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