ホテル資産評価 その2

昨日は本当によい気候だった。
空気がすっきり、外では少々暑さを感じたが、気持ちの良い一日だった。
今日はどーだろう??
そーだ、亀井氏が大臣を辞任するんだって???
鳩山さんだったら、亀井さんの辞任カードに、国会延長、郵政改革法案成立とフラフラしていただろうけれど、、、
一貫した方針堅持を評価したい。



昨日は、資産評価、そのなかで将来価値および改善可能性に必要な要素として、人的側面にポイントを置いてみた。
しかしながら、人的側面、現場の思いにとらわれ過ぎても宜しくない。

資産評価における「将来価値評価」での最重要項目は、そのホテルが立地するエリアのマーケットの見方、いいかえれば市場環境の見極めにあるのではないだろうか。
東京というビッグマーケットは、ポジションの異なる厚い需要があり、見極めはそれ程難しくない。
仮りに、外れたとしても、評価時に気づかなかった需要が補ってくれ、結果オーライとなることが多々ある。


しかしながら、大阪を含めた地方マーケットは慎重にみる必要がある。
つまり、マーケットセグメント別の需要ボリュームの見極めであろう。
これを統計データと感度のミックスで推し量ることとなる。
一般的に、地方都市は、供給側が、施設改善、運営システムを整え、様々な広告をうったとしても、総需要には限界がある。
新たな需要を創造するといっても、一ホテルの努力には限界がある。
つまり、交通インフラを初め、様々な外的要因の総合的な働きがあって初めてその地域の需要贈を図ることができる。



これまで、市場分析する際、外的需要を見極めるために使用したツールをリストアップしてみた。
ただし、ホテルの規模・タイプにより重点項目は異なる。
・域内交通地図(鉄道、国道、地方道)
・広域交通地図、運行スケジュール(空路、海路、新幹線、長距離バス)
・50年前から直近まで、10年毎の地域経済・業態別分布地図
・広域での再開発計画の種類、内容
・民力統計
・地域行政公表の各種統計資料
・できるだけ長期の域内ホテルの実績(営業分析資料)←これは入手が難しいが・・・
・旅行代理店、送客実績



印象深くかつ分かり易い事例が大阪であろう。
大阪・梅田地域は、埋め田がなまって梅田になったと聞くが、海運から鉄路への荷物積み替え機能がそのはしりで、その後、旧国鉄梅田貨物基地、JR大阪駅、私鉄梅田駅が複数、という交通の中心、付帯享楽施設が集積。
大阪・心斎橋地域は、老舗商業が軒を連ねる最大商業集積地域だった。
上本町は、奈良方面からの一時受け機能があった。
天王寺地域は、南大阪方面へのターミナル機能を基本として成長した。
また、淀屋橋から本町・長堀までの御堂筋は業務集積地域であり、一流銀行の本支店、関西出身大企業の本社、上場企業の支店等が集積していた。

それが、今では、どの様になっているだろう??
公共交通の発達、経済環境の変化による企業統廃合・支店統廃合、世代交代による業態変化、種種の要素が加わり、街は大きく変化。
大阪そのものの機能が変化、梅田地区への集中、が進んでいる。


ホテルは、建設すると、取り壊すまでその場所から動くことができない。
しかしながら、周辺環境は変化し、集まる需要もこれに従って変化する。
過去の成功体験にしがみつき、小さな改善(?)、ホテル社員に強いる無理なコストカット(!)で凌ぐという消耗戦には限界がある。
歴史的な背景、街がどの様に動いているか、ポジション別需要がどの様に変化しているか、こういった要素を縦横に評価、これまでの実績にプラス、リストラ効果を含めて将来価値を判断。

こういった判断をしないで、デザイナーに依頼したインテリアパースで、購入したホテル施設に対するリノベーションを決めるような姿勢をマーケットは冷静にみている・・・・・



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