ホテル資産評価 その3

ワールドカップが始まった。
韓国強いねぇ・・・
日本はどうだろう??
しかしながら、こういう時だけ(?)『ニッポン、ニッポン』と連呼、いつもは国体・国益を考えていると思えない人が多いなぁ、と感じる気がするのだけど・・・
参議院選挙も始まる・・・・
金曜日、浜松町で片山さん、数寄屋橋で声をからした佐藤さん、街立ちしていた。
片山さんは地べたでひとり、佐藤さんは車2台連ね同伴者あり、しかも街宣車の屋根上から・・・・・・
浪人中という位置関係からすれば、片山さんに好感、、、、
でも、いつの間にか、衆議院から参議院へ鞍替え???
国会議員になれればどっちでも良いのか?、そんなものか???



ホテル資産評価について、現場で運営する人、市場性・将来性をとらえる、について書いた。
でも、もうひとつある。
ホテル名、即ちブランドだ。
業界人は別として、一般的には概ねどのホテルチェーンに属しているかによって、第一段階で評価し、かつ提供サービスを期待する。
特に、始めて行く土地でのホテル選択にはブランドがその基準になる場合が多い。
それ故、有名ホテルチェーンへの運営委託、フランチャイズといった事業形態が存在する。
それでは「ブランド」って何だろう?
提供されるサービス内容に対する安心感? 信頼感? ステータス? 
有名ホテルブランドは、そのブランド価値を高めるべく日夜努力している。
その価値は、そのブランドが所属するマーケットポジションにおける競争力だろう。
で、競争力って? 
それは、ホテルを選択する動機があってホテルを選ぶ時に、最初に思い浮かべてもらい、かつ決定してもらうことができるか否かであろう。
事業者からみると、ブランド送客力となる。


昔は、ホテルの選択肢が多くなかった。
また、情報も乏しいためか、とりあえず有名ホテルであれば、という様に、単純なものであっただろう。
ホテルを使いたい時は旅行代理店に行き、相談し決定する、ということも一般的だった。
草創期のホテルマンで、先をみていた人達が、ホテル横断的に研究会をもち、ホテル商品を開発する、どうすればホテルを使ってもらうことができるか、といった議論を重ねていた、と聞く。
自宅で、あるいは会館で行っていた、婚礼披露宴をホテル宴会場で催行することもその結果だという。


しかしながら、今は違う。
インターネットの普及に伴い、各種情報があふれ、良いことも悪いこともホテルに興味を持つ人、ホテルを使う人に直接伝わることとなった。
ホテル評論家(?)も増え、ホテル本も多々出版されている。
ごく普通の人が利用経験を他の人へ伝える場もある。
また、様々なホテルが、それぞれ独自性をアピールし、細分化している。
予約は、インターネットで、各ホテルの提供価格・内容を比較し、何時でも、簡単にできる。
利用者にとっては選択肢が増えたが、ホテルは一段と厳しい環境となった。
現在はそういう時代である。


これらから何が見えてくるのだろう?
マーケットセグメント・ポジショニングは、価格負担力による色分け、と言い換えることができる。
各々の顧客ポジションには、それぞれ求められる内容が異なる。
それぞれの要求に対して実現できるか否かによって顧客の評価が定まり、良い評価を受けたホテルにとっては固定客となる。
価格vs提供価値がバランスしていることが前提となることはいうまでもない。


ホテル施設売買時に、あるいは運営委託契約等の終了時に検討されるブランドの変更、しかしながら、あるブランドから別のブランドへ代える場合、成功させるためには大きな力が必要となる。
ブランド評価が定まっていない場合、新ブランドを立ち上げる場合、いくつか所有するなかでシンボリックなホテル名をチェーンブランドして使用する場合、あるいはマーケットポジションを代える場合、更に難易度が高くなる。
顧客は往々にして臆病であり、折角の機会でギャンブルする人は少ない。


ホテルの資産評価(将来価値)をする際、こういった事実を正確に把握し、評価する必要がある。


前職での経験、「ブランド変更って簡単、うちのブランドを持ってくればV字回復。悪くても相当の運営収支改善につながる。」と安易に考え、提案したが、その難しさを思い知らされたことがある。
今は、「ブランドを代えたら収入が上がる。」と売り込むホテルチェーンに対しては、対象となっているホテル施設・立地環境に応じることのできる送客力を持つことが明確でない場合、その言葉は信用できない、という心境である。



ホテルは、マーケットに対する鋭い感度、継続的な改善努力、を含めた総合力を要求される、参入障壁は低いがそれ故に成功難易度の高い業種だ。
小手先のリノベーションのみで、アップサイドへポジションを代えることはできない・・・・


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