ホテルの施設企画
京都、祇園祭の山鉾のひとつ「八幡山」を納めている蔵。
ある施設内覧会で、見上げた場所で見つけた味わいある景色。
今年は祇園祭に行く、気持ちになってきた。
ところで、、、、
最近、新規2ホテルの開業前の施設内覧会に出かけた。
訴求マーケットの確立、立地特性の把握、いずれも明快、企画コンセプトが的確に表現されていた。
企画担当者と設計者との意思疎通が良かったのだろう、と推測する。
施工者も協力したことがうかがえる。
やはり、事業は、各々の立ち位置でしっかり議論、納得して進むことがないと、当初目標を達成することはできない。
早期の盛業が期待できる仕上がりだったし、結果を楽しみにしている。
反対に、考えさせられるホテルに泊まる機会を得た。
ホテルもマンション同様、開放廊下にすれば、廊下部分の面積を容積率の計算から除外できる。
単純に言えば、客室数を増やすことができることになり、事業性は上がる。
この手法によって企画されたホテル。
ある意味、開放廊下型ワンルームマンションのホテル版。
前職時代、この手法を検討したが、滞在品質に疑問があり、無理としてお蔵入りした。
東京で同仕様のホテルを見学したことはあるが、実際に宿泊したのは今回が初。
温浴施設に興味があったための選択だった。
3月の寒い朝、最上階の温浴施設へと気楽に廊下に出たが、とにかく寒い。
お風呂の後、部屋に戻るまでに、すっかり湯冷めした。
客室内の空調の効きも悪い。
客室清掃の人がいたので、ヒアリングしてみた。
・夏は暑く、冬は寒い
夏は、ベッドメイク時、汗が落ちない様に気をつかう
今年は、数回の降雪があったため、除雪も経験したし、つらい
・雨降りの日は、廊下が濡れ、危険 また、リネン類に雨がかからない様にするため、作業性が落ちる
そのためか、上方開放部分にテントを張っていた。
また、開放壁面部分にもテントを張っている個所があった。
可動式ではないため、これは問題・NG。
また、テントが防炎品質でない場合、火災発生時に危険個所となる。
ホテル経営会社HPを確認したところ、経営理念として次の通り。
・清潔さ
・低価格を実現
・安らぎ、安心
確かに、低価格だったが、その他は??
初期の事業性確保、という点は実現している、と感じる。
販売価格の下方弾力性もあるだろう。
同タイプのホテル、事務所の近くにも2ホテルある。
低価格が商品、はわかるが、宿泊施設としての基本品質には疑問を感じる。
ホテルの施設企画、販売計画&運営計画をしっかり検討したものにしないと、経営が立ちいかなくなる。
改めて実感した。。。