事業企画とその後の変化

梅雨があけた
本当に暑い・・・・・
東京の日の出は5時前だから、朝の水やり時には、既に太陽が昇っている。
見える化!」で書いた、ゴールドクレスト、伸びが鈍くなっている。
先週は2cm弱となり、それまでと1cm強落ちた。
やはり、木も暑いことは苦手??


大相撲も盛り上がりに欠け、入りも低調。
諸先輩が地道に努力して築き上げた地位・信用が、不祥事で一度に信用をなくすことは、企業も同様。
気をつけよう。


前回、成功体験が・・・ というブログ、少々気になることがあったので、補足することにした。
総合都市型ホテルは、客室・料飲・宴会・その他諸施設の組み合わせ。
ごく一般論で、売上比率は、それぞれ30%・30%・30%・10%、とされ、曜日変動を含めた需要変動にうまくついていける施設構成として、評価されていた。
当時の、先進的なホテルマンが、所属するホテルを超えて各種研究会を開催、ホテル商品の開発をしていた、と聞く。
ホテルでの婚礼披露宴催行もその成果のひとつ。
これらの活動は、本にもなっており、勉強させて頂いた。 感謝!!!
各々の特徴は以下の通り。
客室:頑張って売り上げても、総客室数以上の客室稼働は望めない
   このため、客室単価を上げることが増収の道
   部門利益率は高いが、不動産事業としてみると、部門床面積に対する『売上床効率』が低い
料飲:席数は一定なれど、席回転率UP、客単価の向上で増収効果が望める
   つまり、部門利益率は相対的に低いが、メニュー計画、料理品質、サービス要員の努力次第
   で、結果は大きく異なる
   街なかに競合施設が多々あり、昨今の趣向変化の早さについて行けない側面もある
   不動産事業的に見ると、ブレが大きい部門といえる 
宴会:事前受注型であり、原価・経費管理が相対的に容易
   ブランドおよび営業力で、結果が決まる
   良質の料飲施設による誘客効果が期待できるため、料飲とのコラボが必要
   婚礼需要は競合施設の出現で苦戦
   この部門は、経済環境の変化により、ホテルの営業努力を超えた需要の波がある
   不動産事業としてみると、付帯施設が大きく面積をとっており、正味宴会場面積だけで
   の評価はできないが、ある時期までは優等生だった


顧客の趣向変化、経済環境の変化、等の外部要因により、料飲、宴会の2部門に激震あり。
一般的に動きの遅いホテルは、収支を合わせることに苦労、手っ取り早く人件費削減に手をつけ、悪いスパイラルに入っている。

また、安定的と考えられていた客室も、タワーマンション、デザイナーズマンションの出現により、水回りを含めた客室品質に対する既存ホテルの性能評価が大きく変わった。
バブル期前までは、基準客室面積は、10年間で1割程度広くなっていったとみている。
その後の経済変化に加え、外資系ブランドの高級ホテルの出現により、その傾向も変わった。
それらを総合して、客室主体型ホテルを含めた新しいホテルの客室品質に、既存ホテルは置いていかれることとなった。


後知恵で評価することは簡単
その時代で最適な事業企画をすることは当然であり、その努力を怠っていたとは思わない。
現象を冷静に分析し、対応策を考えることとなろうが、作ってしまった大型施設は、簡単にアジャストできない。
雇用問題も同様。


前職での経験。
ほぼ同時期に2つの都市型ホテル事業企画があった。
いずれも、地方中核都市での計画
施設計画における違いは、宴会施設、料飲施設に対する考え方にあった。
詳しくは省略するが、事業性結果は大きく異なった。
しぼれば良い、というものではなく、一度作ってしまうと融通の利かないホテル、販売戦略の多様化を確保し、様々な展開を可能にすることは必要
ただし、これは基礎需要があって初めて求められるものであろう。


同時期に同一計画地に、異なる企画のホテルを造ることはできない。
このため、異なる企画に対する単純評価ができないこととなり、結果として言い訳も可能となる。
決定し実効する事業企画の重要性、企画屋に求められる厳しさのレベルが理解できよう。


詳細な販売計画、これに基づく収支予測、さらには感度分析により、事業予算のおさえ、このバランスが機能しないと、事業はうまくいかない。
もちろん、企画屋は、全体での事業性で押さえつつも、どこかに遊び・夢を埋め込む、という権利(?!)がある。
同じ企画屋の目線で見ると、そのことがよくわかる。
しかしながら、その遊び・夢が全体へ及ぶと、単なる緩い企画、となってしまう。
また、企画屋の思いこみが強いと、同様の結果を招く。
前回書いた危惧、このことを言いたいと思った。


ホテル不況、ホテル事業は悪、ホテルには融資がつかない、と言われることが多い昨今。
原因を正しく分析し、対応することができれば、中長期的にも、ホテル事業は魅力のある事業と考える。



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