原価・経費管理 その3

アメリカの経済回復が減速している。
景気対策の追加か、財政赤字の圧縮か、日本にも共通した問題。
いずれにしても循環が正にならないと、経済は良くならないし、生活も良くならない。


昨日書いたFBCに関連する項目をまとめてみた。
これらの関連項目・業務と総合して、FBC業務となる。
FBCが所属する部署は経理部門が多いが、料飲部門に所属するホテルもある。
これは、その主たる目的と、利益管理責任の考え方の違いにある。
今日のブログで、その意味がわかって頂けると思う。


レシピ
ホテルで使用されるレシピは、調理方法、使用する材料・使用量・各種調味料、使用する皿、盛りつけ方、等々が詳細に規定されている。
仕上がり姿、最近ではデジカメ写真が添付されているが、昔はフリーハンドの絵がついている時期もあった。
レシピの精度により、原価管理の精度が大きく変動するため、調理人への指導および信頼関係がポイントとなる。
FBC担当者は、調理人が作成し、調理長がまとめたレシピを詳細に確認する必要がある。
特に、料飲施設、宴会施設が大型である総合都市型ホテルでは、ホテルの利益に直結する。
レシピを持って転職する調理人も多々いる。
レシピはホテルにとって財産、信頼関係と財産管理とは異なる。
また、調理方法に加えてHACCP(=Hazard Analysis and Critical Control Point)の導入も進んでおり、この観点での記載も必要となる。


メニュー管理(=利益管理)と販売技術
ABC分析は、メニューの売れ筋分析、販売状況により入れ替えも行う業務。
これに加えて、もう一段の話。
メニューによって利益率が異なることは当然のこと。
設定した利益率だけで売価を決めていたら、市場性のない価格となってしまう。
結果として、メニュー毎、設定売価との関係で、利益率が異なる。

売りたいメニュー、看板商品は別として、利益率の高いメニューを売れば利益額は確実に上がる。
しかしながら、顧客は必ずしもホテル側の求める行動をしてくれない。
このため予算利益額を確保するために、現場サービス員の販売技術が必要になってくる。
分かり易くいうと、メインディシュを選択してもらい、それとの組み合わせで期待利益が出る様なメニューをさりげなく薦める必要がある。
かつ、それで顧客満足を得ることができれば、双方ハッピー
サービス員の腕の見せどころであるが、売れるメニューを取りそろえることも大事。
また、売れないメニューをはずし、不要な材料ロスを抑えることも併せて必要となる。
最近、どこでも、お買い得感を強調したセットメニューが多いのは、安定的な利益額の確保、という意味もあろうが、楽しくないし、販売技術の明らかな後退?


ポーション・食材管理の必要性
正しくない方法により利益を出すために工夫(?)する現場が必ずでる。
例をあげよう。
2kgのステーキブロックを、1枚200gで提供するべし、と規定されていると仮定。
しかしながら、1枚あたり180gとすると、11枚のステーキをとることができる。
調理場を圧し過ぎると、こういう姑息なことを考えるコックも出てくる。
顧客は気づかないと、思っているかもしれないが、そんなことは決してない。
この様なことをしていると、てきめんに顧客離れがおきる。
肉類は、部位の他、産地のこともあり、ごまかしが発生し易いし、利益操作に大いに貢献する。
調理技術で何とかなる、と誤解するコックも出てくる。
当日仕入の生鮮品、鮮魚類を多く使う和食や寿司、一段とコスト管理が難しくなるし、恣意性も高くなる。
使用する材料を正しく、かつ設定された分量で調理することが当然のこととする社内文化が必須であり、これを怠った結果、顧客の信頼を失ったホテルが実際にある。
品質維持のためにも、随時のブラインド調査員による実施を含めた倹食が必要となる。


昨日からの話を総合すると・・・
良好な運営を維持するために、お客の立場で協力できることは??
寿司コーナーで、マグロを食べたら、カッパも食べよう
洋食で、ステーキを食べたら、サラダもとってあげよう
バーではハウスウィスキーを、ワインもハウスワインを選択しよう
これが、Win Winの関係?
こんなこと考えて注文していると、おいしくないか???


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