原価・経費管理 その4

阪神、いまだ首位をキープ!!
巨人もしっかりついてきている。
しかしながら、ホームラン野球と、技で得点する野球、観ていて楽しいのはどちらだろう?
ホームラン野球は、スカッとする、ある意味で、TVドラマの水戸黄門型??
イチローは、技で評価され、それを継続している!!

7年以上も動いた『はやぶさイオンエンジン』、NEC製、この技術を年商20億円ビジネスへ成長させる道筋ができた、という明るいニュース。
NECは、ホテルPMSでお世話になった会社、がんばって欲しい。


今日は、マンパワーコントロールの話を簡単にしよう。

ひとことで言って、自社の運営品質基準を維持しつつ予算利益を確保する人事管理のこと。
ホテルでは、人件費は、原価・経費のなかで、最大の項目。
従って、これをどのように有効に管理するかで、事業収益性が大きく変わることとなる。
人件費管理というと、すぐに人件費率と置き換える人がいるが、これは間違い。
結果として売上対比の人件費率が出てくるのであって、比率ありきでは正しいホテル運営はできない。
もうひとつ、客室清掃等の人的役務提供に関する外注業務委託契約分も、人件費に含め、一括管理する。


ホテルの提供サービスは、施設品質と運営品質が両輪であり、労働集約型産業であるホテルでは、運営品質の具現化に運営する人が密接に関わってくる。
前にも書いたが、施設をリノベ、美しいパンフレットを作り、結果として集客できたとしても、実際に提供される運営品質が、パンフレットとの間に下方ギャップがあれば、その顧客は、不満を感じ、不信感を持つ。
住宅販売では、基本インフラを整備しておけば、住む人が自分好みに作り上げていく。
しかしながら、ホテルは、仕上がったものを滞在期間中楽しむ、という点が根本的に異なる。
つまり、バランスの良い品質が必要であるということ。


安定した運営品質を提供するために必要な前提は?
・フィロソフィー、コンセプトが確立され、かつ全員に徹底されていること
・上位計画に基づいた具体的な行動指針が設定されていること
・設定されたサービスレベルを具現化できる、運営要員数および要員資質が確保されていること
もちろん、中途採用者に対し、最初から経験を含む資質を求めると、人件費額は予算をオーバーすることは現実問題。
それを補うのが、スケジュール化された『教育訓練計画』とその実行。
従って、人事部門では、要員計画と教育訓練計画が確立されていることが必須。
また、インナーコミュニケーションを、意志を持って強化することも、合わせ技で必要。


開業時は、どの様に計画しても、必ず混乱が生じる。
ホテルの開業、大型都市型ホテルは『社員数400人超、年間売上50億円超の事業』をいきなり立ち上げることであり、徐々に企業規模が大きくなる一般企業とは、その難易度が異なる。
運営組織でみると、
・本部からきた幹部社員は、自社のマニュアルに従って行動
・経験者は、元職場の文化を残しており、「うち(前の職場のこと)では、この様にしていた。」と言う
・新卒、新人は経験がない
当然のこと、開業前には、業務処理マニュアルの学習を含め、ロールプレィングにより、事前教育および訓練は終了している。
しかしながら、それでも、ある現象に遭遇した場合の混乱は想像していただけるであろう。

そのため、開業時は、練度を補うため、要員を厚めにはることになる。
その後、練度の向上に従い、徐々に要員数を絞り、安定運営にもっていくこととなる。


実際の売上と要員数の関係には、ホテルグレードにより、ほぼ確立したパターンがある。
昨今の客単価減傾向が続く状態での人件費管理は、ややもすると、要員数を絞る傾向が強い。
特に、買収によりホテルを所有した新規事業者、ローン期間に併せて運営要員をしぼって良好な運営実績を作ろうとする傾向が強い。
が、これはなかなかうまくいかない。
この理由は、これまでに数回ブログに書いた。
ホテルは生もの、という基本的なことを忘れているケースが多い。


『自社設定のサービスレベルを維持しつつ、人件費を抑制し、予算利益を確保する。』、という非常に難易度の高いテーマ、一層の知恵が求められる。


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