器具備品管理??

浜田幸一、逮捕、というニュース。
H21年春、破産確定していたともいう。
議員時代、品性は感じられなかったが、プッシュの時代にはそれなりに必要なキャラクターだったのだろう。
でも、千葉県民に対するイメージは、明らかにかぶっていた・・・・


今日は、ホテルの裏仕事、しかしながら総合型ホテルの利益に大きな影響を与える仕事の話をしよう。
ホテルでは、さまざまなグラス、銀器、皿小鉢等の什器類を使用する。
大型の宴会施設を持つホテルは数量と種類、1000名分のフルコース仕立ての什器類の数と種類、想像つくかなぁ?
更に、大宴会場で催行されるブッフェ等での大型の器具類の種類と数?
その種類、数量は想像を超えるもの
施設設計時、この倉庫の規模および動線計画をおろそかにすると、てきめん、運営効率の悪さ、管理がずさん、とボディブローで効いてくる。
この怖さを知っているのはプロの証!!
高級食堂を持つホテルは、種類もさることながら、ひとつあたりの金額が高い。
特に、和食は1個1万円を超えるものも多々あり、更に季節物が加わる。
客室にも、湯飲み、グラス等が置いてあり、これらの管理も必要になってくる。


これらの管理方法、ホテルにより異なるが、今日は原則論を書くことにする。

管理する人を『スチュワード』、責任者を『エグゼクティブスチュワード』、部長さんクラス、と思って頂ければよい。
この組織を厚遇しているホテル、この仕事価値をわかっている。
単なる食器洗い、と考えているホテルは、どうだろう??


基本的な流れは次の通り。
食堂・バーでは、食器洗いから員数管理まで。
宴会では、前日に宴会で使用する什器類を宴会毎に用意、宴会厨房、宴会場へ出庫、終宴後、引き取り洗い、倉庫へ収納する。
客室からは、メイドが使用済みの湯飲みグラス類を所定の位置へ出すと、洗い乾燥して、メイドへ戻す。
破損・紛失はつきものであり、これを正確に伝票処理し、員数管理に備える。
毎月、1回全セクションで、全品棚卸しを行う。
単純に言えば、この繰り返し。


その影響を説明すれば、重要度がわかって頂けると思う。
破損の代表選手、ワイングラス、一般的な品物でも3千円程度、高いものでは1万円を優に超える。
バカラは2万円??
一方、ワインを売って得る利益は?
仮に1個グラスが破損した場合、ワインを何本売らないといけない?
料理用のお皿も同様。
高いものでは1万円を超える。
1個破損した場合、どのくらい売らないと回収できない?
宴会等で良くある話。
残飯と一緒に、ナイフ、フォーク、スプーンといったシルバー類を捨ててしまう、半端な数ではない。
特に、配膳会等から派遣された配膳人は、終宴後、早く帰りたい、ホテルも人件費を気にするため、急ぐ。
急ぐと、そういうことになる。
このため、残飯チェックも作業のひとつに加わる。


そういうこと。
これを各厨房・バーに任せていると、破損・ロス管理ができない、員数管理ができなくなる。
破損すると叱られるから、破損・紛失伝票( Loss & Breakage Report )を起票しない。
(こういう伝票のあるホテル、運営基準がしっかりしている。)
紛失は、員数管理をしていないから、わからない。
経費(器具備品費)を絞られている現在、数が不足すると、仕方なく品質の劣るものに目がいく。
結果として、ホテルコンセプトを守ることができなくなる。


前職で、総合システムを作る前、運営中の大型ホテル、でも予算の関係で小型コンピュータでの話。
コンピュータ処理をするためのシステム化は、毎日500室を超えるチェックアウト分の売掛金請求処理、と給与計算。
その後、器具備品管理をシステム化して欲しいと要請された。
打ち合わせ時、責任者だったFさんの苦労をかいま見た。
洋食器は、なべてカタカナ語
一方、実際に洗い・管理を担当する、多くはパートのおばさん達、ハシとお碗の日常。
なにを言われているのかわからない・・・・
その責任者、リストにフリーハンドで、ひとつひとつイラストを描いていた。
蓋付きの食器は、蓋と下(?)を別々に管理できる様にリストも工夫されていた。
今なら、デジカメで画像を取り込み、簡単にできるが、すごい、と感心した。
海外・異文化での仕事経験のあるFさんならではの工夫だった。


スチュワード業務を、経費削減、屋上屋、として、縮小する、所属する厨房へ編入するホテルが多々あるが、料飲・宴会ヘビーの総合型ホテル、FBCの正しい運用同様、この活用で、利益は大きく異なる、と信じている。



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