イールドマネジメントの限界は??

高校野球、今日13時、決勝戦
興南vs東海大相模、おもしろそうだ。
興南の島袋投手、強さが顔に出ている、良いねぇ
東海大相模の一二三も良い。
やはり、高校野球、投手優位のチーム、投手が良いと打線も引っ張ることができる!
もうすぐ始まるから、ブログ、大急ぎ・・・


木・金曜日、まず瀬戸内海の豊かな空気を感じ、その後、黒潮&龍馬の勢いを感じながら、昔からの仲間と、日付変更線をこえて飲んだ。
やはり、四国は人間を豊かにしてくれる。
いずれにしても、自分にとって、有意義な出張だった。


で、また、難しいテーマを選んでしまった。
発端は、18日ブログへのコメント。
コメントを入れてくれた人、売上実績が予算額に到達せず、客室単価を下げても客室稼働を上げ、結果として売上実績を上げよ、という指示を受けている?!
その指示に対し、自ホテルを愛するが故の抵抗感を持つレベニューマネジメント担当者、ではないだろうか。
その葛藤、何にもまして貴重であり、担当者としての意志・気概を感じることができる。


当方のコメントにも書いたけれど・・・・
客室稼働、客室単価、の乗算により、そのホテルの客室収入が決まることは明白。
共に高いことがベストであろうが、これはなかなか容易ではない。
このため、どちらに比重をおくかがそのホテルの基本であり、いずれに比重を置いても、ホテルコンセプトに合致していれば正。
しかしながら、十分に検討しホテルの方向性を定めることをしないで、それを簡単に変えることはマーケットからの不信をまねく。


今週初め、あるホテルチェーン本社の人と話をする機会があった。
この時に出た話。
・うちの各ホテルに、イールドマネジメントを理解し、実践できている人、何人いるだろうか? 
・イールドマネジメントって、本当にシステム化できるのだろうか?
様々な立地でホテルを運営しているホテルチェーン、仮りに客室主体型の同タイプホテルを運営する場合でも、画一的なレベニューマネジメントはできない。
どこまでが本部(本社)の役割で、どこからが各ホテルの役割なのか、SOWが明確にできていないと、双方に不満が残る。
各ホテルの担当者による緻密な分析と感性が必要であり、この能力は極めて貴重。


ある識者が、「イールドマネジメントを正しく行って、売上アップできるのは2〜3%だろう。」と言っていた。
そうかもしれない。
やはり、限界がある。


イールドマネジメント、客室構成に因り、その方法が異なるのではないだろうか?
その根幹となる客室構成は、事業企画時の企画担当者により決定される。
一方、イールドマネジメントを担当する人、客室構成は所与のものとして、効率的な運用を求められる。
つまり、シングル、ダブル、ツイン、それぞれの定員稼働をいかに上げるか、かつ、高単価へもっていくか、が、その使命となる。
この仕事、一人あたり単価の下落が続いている現在、シングルルームを多く持つホテルにとって難易度が高い。


これまで、何回か書いてきた、企画時のホテルコンセプトの設定、市場調査、等の事前調査の重要性がわかって頂けると思う。
良くある話、建物の形が、事業の基本企画時、設計事務所の大先生、事業意志決定者等により決められる。
これを受けた施設設計者、赤鉛筆によるアウトラインを基として、建物の詳細なシルエット、床面積を決められた後、可能な客室構成を設定することとなる。
それで良いのだろうか?
本来のフローは次の通りだと考える。
ただし、事前調査およびホテルコンセプト設定等の事前段階は既に終了した前提でのフロー。
・部屋タイプ別に、基準客室の面積・間口サイズ・バスルームサイズ・家具配置等の基本機能を決定
・市場調査に基づく客室構成を決定
・与件を受けた施設設計者は、計画地の特質をふまえ、建物形状、基準客室階の床面積を決定
・所与の客室構成をおさえ、運営者と、配置・動線検証を行い、基本形を最終決定

もちろん、このまま客室を積み上げただけでは、機能本位、箱形となり、建物としての美しさがないことも現実の話。
ホテル施設に求められることは、経済合理性に加えて、美しさ、楽しさ。
ここが設計者の腕の見せ処。
難しいが、うまく収まった時のうれしさは、何にも代え難い。


客室構成が、マーケット特性にマッチしていれば良し、そうでない場合、レベニューマネジメントの担当者は意味無く苦労する、こととなる。
南の島で、客室構成を失敗、現場が苦労している大手チェーンの最新ホテルがある。
非常に難しいテーマ、といったのは、そういうこと・・・・



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