ホテル施設をよーくみると?

昨日開催された、沖縄・那覇の大綱引き
43トン 200mもある大綱を引き合う
5m引いた方が勝ち、ということだが、今年も引き分け
行事の後、あの大綱、どこに収納しているのだろうか??


ホテル事業、これには2つの側面がある。
ひとつは、『日々の収益を享受
もうひとつ、『所有不動産価値の向上』 これはホテルの売却により利益確定する。
つまり、ホテルは不動産事業と密接に関連している。

大手不動産会社でホテル事業を組み込むことを進めていたのは三井不動産
三菱地所も、旧丸の内ホテルを所有していたが、その後の開発では後発といえる。


大型再開発ではホテルを組み込むことが多い
機能強化、グレードアップ、テナントリーシングのし易さ、と目的は多々あるが、再開発事業の価値向上に寄与する。
最近の事例では、大阪・西梅田開発におけるリッツカールトン、六本木6開発におけるグランドハイアット、六本木ミッドタウン開発におけるリッツカールトンがある。


また、大型ビルで階層のいずれかにホテルを組み込むこともある。
オフィス需要の強弱、それなりに面積を要するホテルを組み込むことにより、所与の床面積を消化することができる。
入居するホテルブランドによっては、グレードアップも可能となる。
東京・日本橋のマンダリン、東京駅近・シャングリラ、大阪・本町のセントレジスが、ビル価値向上に寄与する好例であろう。


面の展開ということでは、日比谷・ペニンシュラがある。
丸の内地区の全体再整備、業務ビル1階部分の商業化、常に人を呼び込む、ということだろう。


高級ホテルは、単独ビル、地べたに立ち上がる、という既成概念、国内で、これが無くなったのは新宿のパークハイアット
フロントロビーを、ビル正面ではなく、上層階に上げることに抵抗を感じるホテルマンが多いなかの判断だったのでは?
その後の高級ホテルで、ある意味、普通になった。


ビルへの組み込みで感心した事例が、東京・汐留のヴィラフォンテーヌ。
住友不動産が企画した物件。
立地場所にやや難があり、下層部に東京湾側のビューがとれない。
また、陸側もゆりかもめが走り、いまひとつ。


結果、下層階に、賃料負担能力が相対的に低いホテルを組み込み、その上に事務所フロアをのせたのではないか?
事務所は同じ人が勤務するため、一定のビューが必要。
一方、ホテルは一晩の利用、利用者層にもよるが、ビューに多少難があっても、価格に施設が見合っていれば顧客は納得する。
開業時の価格設定に、その意志を感じた。
これには施設設計上のメリットもある。
・ホテル給排水パイプの折り返し不要、不要なパイプスペースを事務所階にとる必要がない
  ⇒建設費減、かつ事務所階の有効比が向上
・ホテル客室は配列自由度が高く、上層階用のエレベータシャフトを客室階で吸収することが可能
  ⇒事務所床に求められるブラインド部分を極力減少させるという目的を達成


複合ビルにおけるホテルは高層階に配置、といった既成概念のなかでの判断、はじめは「えっ??」と思ったが、よく考えてみて、妙に納得した。
この会社の、六本木1開発におけるホテル配置、2つの事例で、不動産企画の知恵を学ばせて頂いた。


様々なところに知恵がある・・・・


http://www.timeandtide.co.jp/