かの国とのおつきあい

先々週日曜日、夜21時からのNHK番組
超大型マーケットである中国への、韓国の国をあげての売り込みを特集していた。
韓国大統領は民間企業出身、売り込み方法を知っているし、実行力、スピード感もある。
うなずく場面が非常に多く、改めて日本の現状を憂う。


2010年、GDPで中国は日本を抜き去り、米についで2位確実。
世界の工場から世界の市場へ、状況は確実に変わっている。
ホテル業界も同様。
中国へ進出した外資ブランドホテル、これまでは、ビジネス等で中国を訪問する人達を主たるマーケットとしてきた。
今後は、そのホテルのマーケットポジションによっても異なるだろうが、中国国内需要をどの様に取り込むかも重要なポイント


前職での経験
第一次経済開放政策時、上海へホテル進出。
勿論、かの国の人は国民服を着て、お化粧なんて? という国だった。
資生堂のことを「シー・セィ・ドゥ」と言っていたし、洗濯板で使う固形洗濯石鹸の販売が主。
パンストは貴重なお土産、プレゼントされた女性の喜び様を懐かしそうに話す人は多い。


事業は、契約から20年後は無償でホテル施設をプレゼントする、というもの。
つまり、その間に投資回収しなければ事業としての投資価値は無い。
当然の様に建築工事は遅れ、開業時、投資回収期間は17年間を切っていた、と記憶している。


現地での社員採用、国の定めた方法・人選に依っていた。
思想チェックをクリアした人が外資企業に就職できる、押しつけ人選。
結果として、派遣日本人の会話は、当局に筒抜け。
商社、ゼネコンの人達、危険な会話は暗号・符丁で、していた様だ。
また、ナイフ、フォークといった器具備品類の紛失(盗難)が多く、補充が大変だったとも聞く。


赴任した日本人幹部、苦労したと思うが、数年経つと、顔つきが、かの国の人になんとなく似てきたのが可笑しかった。
NHK、世界からの中継で画面に出る駐在員、赴任前はごく普通の日本人だったのに、いつの間にかその国の人の雰囲気をつけている、というのと同様。

客室販売は国際価格、人件費・運営経費等はローカル価格、結果としてGOPは60%超
運営成績は良かったのだが、資金調達手法を含めた事業スキームに難あり、事業性がでなかった。
上海では、直営、運営受託の2ホテルを運営していたが、ある時期に完全撤退。


で、今春、改めて上海で開業した。
人件費を含めた運営諸経費が経済成長と共に上昇、かたや需給関係を考慮すると、GOPは30%前後では? と予測している。
上海には、有名ホテルブランドは全部といって良い位進出、ローカルブランドもたくさん、競合は激化している
良質の施設・運営品質を提供するだけでは顧客の支持を得ることはできない。
日式サービスをウリにするだけでは無理だろうし、更なる進化が必要であることはいうまでもない。
また、法制・税制も刻々と異なるし、人治国家故の対応も必要になる。
様々な困難があるだろうが、頑張って成果を出して欲しい。


先週は、仕事で北海道と沖縄へ
昼の温度差23度程度。
全く異なる自然環境、服装も異なり、特に南へ行く時、厚手の服をしまうため、バックも大きくなってしまう。
どちらも、それぞれの良さがあり、当然のことながら企画も異なる。
今週、それらの整理&打ち合わせをしっかりこなすことにしよう



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