縁遠くなったバレンタイン・デー

エジプトの政変に引き続き、アラブ周辺国がきな臭くなっている。
共通項は、産業が乏しく人口急増&若年層の失業率が高い国、という。
それらの若い層、ネットによる情報共有に基づき行動。
リーダーがみえない政変、民主化ということ以外明確な改革要求もなく、大統領失脚をただ喜んでいる若者達の姿、単なる欲求不満の解消??
意志を持って行動しているイスラム原理主義の浸透、これは怖いね。


そういった厳しい時代に、呑気にバレンタイン・デーのチョコレート期待ってあるのだろうか??
とみに縁遠くなったのは、時代とは別の問題があるのだろうか???


ところで、、、、
昨年から継続して、中国関係の仕事をする機会があり、改めて中国を研究している。
中国は、刻々進化、また様々な面があり、情報面だけでも追いつきたいが、簡単ではない。


その中国で、数年前に驚いたことをひとつ
あるプロジェクトで、客室の家具製作を中国系の家具メーカーへ依頼、製作の中間検査は必要、設計者と共に工場へ出向いた。
日本に帰化した元中国人が経営者の家具メーカーであり、工場は上海郊外にある。
工場では、京都にある著名な木工所を定年退職した技術者(熟練職人)が2名、技術指導していた。
これらの技術指導により、品質は飛躍的に向上している。
日本で持ちこたえることのできなくなった熟練技術者の海外流出により、新興国への技術移転は確実に進んでいる。
(ただし、中国では、技術者の流動性が高く、技術水準も変化するため、工場での出荷前全品検査は必要、と考える。)
また、旧国有工場を払い下げられた、広大な工場内には、製材・乾燥・塗装・製作等の木工に加え金具類の製作、家具製作に必要な工程は、全て自社内にある。
ここまでは、よくみかける姿であり、それほど驚くことではない。


家具検査と同時に椅子検査も行った。
エレベータロビーに設置する、デザイン性の高い椅子を別メーカーへ依頼しており、その試作品の確認のため、工場へ行った。
座面の幅、バックの角度、等々、調整を要する項目が多々あり。
ある意味、作り直しであり、日本で試作するには、最速でも10日間程度は要求される。
再訪して確認か?、と覚悟(期待)したが、翌朝にはできあがる、という言葉に驚いた。
18時の打ち合わせの後、翌朝9時に、再調整した試作品が仕上がっていた


この椅子工場、金属製フレームの加工・溶接・メッキ、布地、クッション、木工、椅子のパーツ製作全て、自社工場で対応できる体制。
デザイン確定後、金属丸パイプをカット&加工、スタイロフォームを型紙に合わせてカット、指定の布地を型紙に合わせてカット&縫製、木製アーム部分を加工、これらをそれぞれの部署で、同時にスタートした。
これだから、一夜でラクラク仕上がるのだろう。
日本では、製作が細分化されており、最終ブランドはアッセンブルしたメーカー名。


この椅子工場では、笑ってしまうおまけもあった。
ヨーロッパの著名デザイナーブランドの椅子類が、多々、サンプル(?)として置いてあったが、よーく見ると、全て模倣品
模倣技術をアピールしているのか? と思ってしまう。


これらのこと、日本も通ってきた道だろうが、時代の進み方が早くなっているこの時代。
また、開発時間をお金と巨大消費市場で買うことのできる中国。
GDP総額ではなく、実質でも日本を超える日が遠くない、ことをひしひしと感じている。



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