地震対策は重要

ニュージーランドで大地震が発生した。
日本と同様、地震が多いという。
国土の形状が似通っている同国、土地の成り立ちが同様ゆえのことだろう。
痛ましいのは、日本人も多く通っている語学校が入居しているビルの倒壊による多数の死者発生。
行方不明になっている30人弱の日本人がほとんど女性、サンプリング的にみても、海外の語学校で学ぶのは圧倒的に女性、ということだろう。
行方不明になっている看護師の語学研修は目的がはっきりしている様だが、その他の人、英語を学ぶ目的は何だろう? と、余計なことも併せて考えてしまう。


ホテルの地震対策、どうなっているのか、改めて考えてみた。

阪神大震災発生の1週間後、陸路はあきらめ、関西空港から船で神戸へ行った。
当然のことながら、大方のホテルは営業していなかったが、神戸在の友人の案内で、神戸港沖の埋立地にある被災したホテルを見る機会を得た。
建物は、壁にクラックが多数発生し、埋め立て地故か床も一部ずれていた。
設備系はほぼ全停止状態、漏水も随所で発生していた。
当然のことながら、客室・パブリック共、家具類はあちこちに飛び散っており、什器類も同様。
営業再開には相当な期間を要した。

地震対応に阪神地区を訪れる人達、あるいは被災した人達の受け皿として、被害が軽微だった大阪地区の各ホテルは可能な限り協力した
改めて、ホテルの社会的存在意義を感じた対応だった。


当時、神戸の惨状を見て、たいていのホテルで、地震対策会議が開催されたことだろう。
そこでは、地震発生時の宿泊客・顧客の安全を確保するための方策が議論されたことと思う。
建物・設備類は、建築基準法を含め、各種基準・行政指導により、基本的には安全が確保されていると考える。
しかしながら、FFE等の持ち込み品には基準がない
地震による揺れにより、客室内の家具類等が飛ぶ。
特に、高層階の揺れは大きく、大型TVも飛んでいくことだろう。
家庭で奨励されている地震対策、家具を固定、TVも固定、食器棚は食器類が揺れで飛び出さない様に対応、等々。
対策グッズも多々あるし、今回の地震で、東急ハンズの同コーナーはにぎわうことだろう。


そういったこと、ホテルではなされていないケースが多い。
これは、デザイン優先に依るものだが、このままで良いのだろうか?


更に、地震が発生した際の運営上の対応策、ホテルにより大きく異なる。
飲用水、食料、燃料、電気、等々、非常時対応は多岐にわたる。
ホテル設計では、レンタブル比を上げるため、業務エリアは極力切り込む、結果として非常時対応の備蓄スペースは限られている
自分がホテル企画する際も、レンタブル比を上げることに注力する。


地震対策、考えさせられる、重たいテーマ・・・・・


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