JR新幹線の効用??

今週の、東洋経済エコノミスト、奇しくも同一特集「鉄道
3月12日九州新幹線全線開業だが、これに先行して開業した新青森までの東北新幹線と併せての時事ニュースがトリガーになっているのだろう。
両誌の記事の内容、鉄道を総合システム産業とした記事内容もあるが、投資研究はおいといて、ホテル事業としての見地から読み込んだ。


エコノミストの記事
東北新幹線九州新幹線の乗客住居地の違い、を書いていた。
東北新幹線は「首都圏」との往来が主であるが、九州は高速鉄道でつながる「関西圏」からの入り込みは相対的に少ない
九州域内の移動手段の主役であるバス・車輸送からのシェア奪取という点が異なる、という。
確かに、九州内は高速道路網が充実している。
素人的には、関西圏からの観光需要取り込みが大きいのでは、と思っていたが、そうではない様だ。

加えて、韓国内の高速鉄道+釜山との高速船ビートルにより、韓国からのインバウンド取り込みもポイント、とのこと。


東北・上信越地方、東北・秋田・山形・新潟の開通によって、その地の商業は大きく痛んだ。
企業の支店・営業所も統廃合が進み、出張による対応が進んでいる。
しかしながら、当地への出張、公共交通機関により域内を移動する場合、非常に不便。
いったん、東京へ帰り、出直したほうが時間的に早いケースが多々あるという
つまり、路線廃止等で横の連結が遮断されたが、代替交通機関も未整備。


前職時代、秋田、山形、盛岡の3都市、新規ホテル企画を検討したが、何れも不成立。
それらの都市、新幹線開通前後と比較して、街が大きく変貌、空洞化が確実に進んだ。
いずれも、安価な宿泊特化型ホテルが乱立、官官接待も無くなり、宴会を含めた料飲需要も大きく減少した。
総合型ホテル不成立、結果として、事業予定者へ迷惑をかけなかったかもしれない・・・・


九州では、新幹線整備により、途中駅となる「熊本」が、危機感を持っている様だ。
熊本・博多間の最速列車、わずか33分、心配になるのは当然のこと。
老舗の「鶴屋デパート」、3日に開業した博多駅「博多シティ」の影響が心配だろうし、初週末となるこの週末の同店をみてみたい。


九州と東北との違い、それは、域内の交通網、高速道路を使い、縦断・横断的に、都市が連結されていること。
また、各地域の民力、格段に高いと考える。
冬季に冬眠する必要も無い


ホテル事業の観点から、九州新幹線の影響をみてみよう

以前であれば、宿泊せざるを得なかったことが、日帰り出張になるケースの発生は当然のこと。
これは宿泊需要減になる。

支店・営業所の統廃合も進むことだろう。
予算を持つ大企業の支店・営業所の統廃合は、料飲・宴会需要減になる。
一方で、一定の業務は存続するため、出張対応になるし、域内連結の進んでいる九州内では、回遊型営業スタイルも発生することだろう。
これは、プラス要因。
東北地方と異なる点は、冬季でも一定の旅客移動がある、ということだろうし、これはホテル需要にもつながる。
更に、中国等のアジア地域と近い九州、有効な販売戦略を実行すれば、東北地方のような凋落は無いだろう、と確信している。
今日開業した、博多駅・博多シティ、なぜかここに居る、期待をこめてパチリ


実姉の住む、九州の中心都市である「博多」、特に期待している。


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