正礼装のおさらい

って、何らかのきっかけで、通常は気にしないことに疑問を持つものだ、と思う。
どういう訳か、最近、正礼装にはまっている


著名ユニフォーム会社で、永くデザイン・営業の仕事をした、業界の有名人であるTさん。
業界誌にも、たまに記事を書いている。
長い付き合いであるが、その人に教えを乞うため、先日、渋谷のオフィスを訪ねた。


そもそも、正礼装とは??
これは、歴史抜きには語れない様だ。
勿論、欧州がその始まりであることは間違いない。
そういえば、ナポレオン、馬上で燕尾服のようなものを着ていた。


歴史と女性の正礼装は省略。

外務省HPのプロトコールで、下記のことを説明しているが、これが現在の正式解釈だろう。
 昼正礼装 モーニングコート
 夜正礼装 燕尾服(白ネクタイ) 、タキシード(黒ネクタイ)
 簡略型  ダークスーツ

昼と夜の切り分けは、17〜18時位かなぁ?、と、Tさんの言葉
通常は、「ドレスコード」が招待状に明記されている。
ブラックタイ、と書かれていれば、タキシード、ということは知っている。


疑問−1
お葬式の喪主、正礼装はなんだろう?
よく見かけるのは、黒ネクタイを着用した略礼服
これは、王家の葬儀の映像を確認すれば、本当の正礼装がわかる


疑問−2
結婚式あるいは披露宴の新郎・新婦の父君の正礼装はなに?
夜でも昼でも、燕尾服か、モーニングコートが多い
英国・ウィリアム皇子の結婚式、妃の父君、皇子の父君、何を着ていただろう?
ただし、結婚式と披露宴(パーティ)が連続する、一般家庭と比較することは難しいのかもしれない。
式典とパーティは、当然の様に着替えるのだろうから・・・


で、どちらでも良いのが、ユニフォーム業界の雄だった「カインドウェア」(2代目)が開発した、前出の略礼服(黒)。
初代は古着屋、畳の上に古着を並べ、商売していた様だ。

学者出身の2代目(女婿)は、旧来の考えに囚われることのない柔軟な発想の持ち主だった、とのこと。
白ワイシャツで、ネクタイを代えれば、冠婚葬祭、何でもOK
これは、貧しかった日本で、フォーマルな場でいつでも使える礼服として、広く普及した。
しかも、上着がダブル、というのは、それなりのベルト無し、極端に言えば、ベルトが無くロープでしばっていても、それが表に出ない様に、という配慮だった、とのこと。


そういえば、上着、シングルとダブル、どちらがカジュアル? といえば、問題なくダブル。
それなのに、略礼服がダブル、というのは、そういう意味だった様だ。
また、モーニングコート、色は、黒ではなく、グレーが正式らしい・・・・


日本のブライダル業界、様々なバリエーションを作っているが、これは貸衣装屋の戦略。
新郎はそもそも刺身のツマ、新婦を引立てることが使命

それでも、新郎の服、モーニングコートの派生形、軍服(正礼装版)からヒントを得たバリエーション、・・・、と多彩。
貸衣装屋の現場の多く、新婦用のドレス類等に関してはプロだが、メンズは素人、とは、前出のTさんの弁。
したがって、間違った情報がさらに歪んで伝わることが多い、とのこと。
また、せっかく作った貸衣装を何回使えるかが貸衣装屋の商売、なのだから、正しい答えは出てこない可能性も高い。


国によって風習が異なるし、時代により変化する。
礼服として、紋付・羽織袴があった日本、その伝統をベースとして、洋服の正礼装に置き換えていることも事実だろう。


いずれにしても、宮廷晩餐会と一般は異なるため、基本に忠実過ぎては面白くない
ただし、自分なりの工夫は、基本を知ってからのことであり、これが大事だと思う。
パーティの趣旨を理解し、出席者を想像しながら、決めることだろう



7月に予定している長男の結婚式&披露パーティ、17:30スタート
新郎の父として、テールコート? タキシード(もちろん、黒蝶ネクタイ)?
はたまた、世間一般的な線で、モーニングコート 
でも、時間帯がねぇ・・・・
結婚記念写真、孫の代まで残るため、その時代に耐えうる必要がある。

やはり、世界の人に見られても恥ずかしくない様、タキシードしかないんじゃないか!!
で、となりは、黒留袖 
本来は、紋付・羽織袴??

何を着るべきか? 未だに悩んでいる・・・