ホテル・日常業務の変遷

大相撲、関脇「琴奨菊」、大関昇進を確実にした。
白鵬戦、日馬富士戦、いずれも力の入る取り組みだった。
千秋楽の把瑠都戦、これは少々がっかりだったが・・・
めんたい王国出身の人気力士「魁皇」がリタイアした後を継いで、めんたい王国の大関になることを期待したい。



ところで、、、
ホテルの日常業務、外注化、簡素化、が進んできた
現実を受け入れながらも、様々な現象にふれるにつけ、業務処理の基本を知ることは必須、だと、痛感している。


日本に参入した『旧東京ヒルトンホテル』の業務フロー、マニュアル類、を読み込んだ時期があり、ある意味で感動を覚えた。
人は、ミスを犯すもの、時として悪い心が起きるもの、を前提とし、非常に細かく、かつ相互チェックが機能する処理フローだった。
この考え方には同意できる点が多々ある。


相互チェック、これを前向きにとらえることにより、設定された業務品質を維持することが可能となる。
チェックリスト付業務マニュアルは、新規採用者の早期戦力化が可能となる。
加えて、職種別の専門家を育てることにより、業務品質の向上を図ることも可能となる。
育成された職種別専門家は、他ホテルへの転職も容易、人件費の一定水準維持につながり、双方にとってプラス。
この辺りが、長期雇用(右肩上がりの運営実績が前提)を当然とした、従前の日系ホテルと異なるのか?


現東京ヒルトンホテル、50歳以上社員の希望退職を募っている、と聞くが、変わってきたのだろう・・・
それは何故?


運営効率化、人件費削減、の波で、一般的なホテルにおいて無くなった職種、宿泊部門で、思いつく範囲でリストアップしてみよう。
もちろん、これにはPMS導入による影響も大きい。
・ドアマン(ベルボーイが兼務)
・クローク(ベルボーイ、レセプションが兼務)
・フロントサービス(ベルボーイ、レセプションが兼務)
・フロントキャッシャー(レセプションが兼務)
・外貨両替係(レセプションが兼務)
・電話交換係(フロンレセプション、フロントバックが兼務)
・クレジットマネージャー(経理課が兼務?)
・ナイトオーディター(廃止?)
・客室チェッカー(外注業者頼り、あるいは廃止)


フロントレセプションの兼務発令が目立つ
小型ホテル、宿泊特化型ホテルでは、ベルボーイ廃止、予約係もフロントレセプションが兼務する場合が多い。
つまり、フロント周りは自己勘定型取引、となっている。
こうなると、ミス発見が遅れるし、金銭事故にもつながることになる


PMS導入、効率化に伴い、予約係からのデータが、相互チェックされることなく、チェックインに使われるケースも多々。
以前は、予約責任者が最終確認、更に、クレジットマネージャーおよび収納責任者(オーディター)が確認、その後にフロントへ回していた。
自分も、ホテル現場でインカムオーディターをしていた時代、必ず、全数を確認していた。
それが無いと、ミスがある場合、それが持ち越される
先週宿泊した那覇のホテル、2連泊を3連泊へ直前変更したこと、フロントカウンターは知らなかった。


客室チェッカー機能を無くし、外注任せにすることは、客室品質の維持管理を放棄する、ということと同義。
その様な宿泊特化型ホテル、商品品質を誰がみているのだろうか
遺失物の管理も気になる。
異業種参入組の多い宿泊特化型ホテル、他ホテルの現運営手法を模倣する、運営効率を追求、ホテル運営の基本を理解していないことを自覚する必要がある。



客室部門をみただけでも、これだけある。
更に複雑かつ売上の大きい料飲・宴会部門、ここを考えると怖くなってくる。
業務簡素化、PMS導入による業務フローの変化、に対応する、新たな、かつ前向きなチェック機能が求められている、と考える。
手作業をシステム化した経験から、どこに抜け道があるかどこをおさえるべきか、それらが良くわかるだけに、怖い。



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