新規ホテル企画の変化・・・

オリンパス金融商品による「損失飛ばし」事件。
発生当時、損失を計上した場合、債務超過に陥る可能性もあった様だ。
ガバナンス、ということもあろうが、同社監査役監査法人の責任重大


異常なまでに高額の手数料支払い、これだけでも監査担当は疑問を持つはずだが???
常勤監査役、同社の経営戦略責任者経験者とのこと、同根故、不正隠しに深く関与していたことは間違いない。
監査役の独立性が担保され、かつ権限が大幅に強化された現在、一部の企業、その根っこは変わっていないのかもしれない。


オリンパスフィルムカメラ全盛時代、「オリンパス ペン」というハーフサイズ・コンパクトカメラを販売しており、自分も1台所有していた。
デジタル化した今、ミラーレス一眼カメラを含め、特徴あるカメラを出している。
精密光学機械メーカー、としての地位は確立しており、物造りの現場、まじめな技術者達に思いがいく・・・
また、こういった事態で損失を被るのは株主、株価も、騒動が始まる前と比較して半額程度まで下がった。



ところで、、、
ホテル事業の企画について、きっかけがあり、改めて、企画業務を整理している。
前職時代、所属する組織に配属される新人向教育資料を作成したことがあった。
手始めに、これら資料を改めて読んでみた。
グループシナジー戦略での進出は別として、優良企業の関連事業、地方の素封家、こういった事業者がホテル事業に参入する、という、古き良き時代の資料。


今にして思うと、のん気な内容
GOPまでの運営収支計画はきちんと算定しているが、ホテル事業単体としての事業利回り、という文言、ごくわずか・・・
戦略的ホテル事業は別として、稼ぐことができれば良いが、最悪でも収支トントンであれば良い、とも考えられていた。
そういう背景から、ホテル事業の赤字+施設の減価償却、これらが本体事業の節税対策になる、と、慰められる一面もあった。
ホテル事業は「ホテル事業+不動産事業」、良いホテルを持つことは、当該地の不動産価値が上がる。
その様な、資産価値が上がる、というロジックもあった。


良いホテルは優良顧客をよぶ」、このような基本思想もあった。
良いホテル=迎賓館? 域内トップ? 国内有数? 国際一級?
これらは、主として、施設の話。
良い施設で良いサービス、をしていれば、顧客はついてくる」、という思想。


また、リノベーションサイクルにしても、非常に長いスパンで考えていた
本物素材をふんだんに使用、造り込むことが正、とされた。
例えば、客室内家具、再塗装等の補修は必要とするも、家具自体は、30〜40年間は使用可能となるような仕様。

このような思想で建設されたホテル、昨今の短サイクルのリノベーション、「破棄するのがもったいない。」との気持ちもあり、対応することに抵抗がある。



ホテル事業者が代わり、ホテル事業は投資戦略の一環であることは明白。
利益を生まないホテルは存在価値が無い
現在のホテル運営者、基本的な投資戦略・用語を理解していないと、事業者(投資家)との会話ができない。


当然のことながら、新規事業企画も変化している。
各ホテルチェーンが有する「施設基準」、この見直しも視野に入るが、対応済のホテル会社、どの程度いるのだろう??
日本の建築基準法等のホテル施設関連法令・条例、細部にわたり規定しており、施設設計における裁量幅が狭い
運営経費削減、施設更新の短サイクル化、といった要求に応える工夫、企画屋と施設設計者の正しいコラボで実現できる様にしないといけない。


当然といえば当然だが、「良いホテル=当初期待利益を継続して創出できるホテル」、これだなぁ
運営効率が低く、販売戦略の足を引っ張る様なホテルを預かるホテル運営者、無用な苦労を負うことになる。
減損会計も追いかけてくる・・・


この続きは、銀座ロックフィッシュハイボールを飲みながら、考えることにしよう・・・



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