信頼関係??

人との信頼関係、ってなんだろう?
きっかけは、防衛省・田中前局長発言に対する報道。


オフレコ取材、情報源と取材者との信頼関係により成り立っている。
06日付日経新聞『春秋』コラム。
この一週間、喉に骨が引っかかったような感覚が抜けない」との表現で、協定違反で報道した琉球新報を批判した。
日経新聞、企業に対するオフレコ取材の機会も多く、危機感をもっているのだろう。


これに刺激を受け、信頼関係について、改めて考えてみた。



開発企画に30年以上も携わっていると、様々な人に出会う。
プロジェクトが在る時だけ顔を出す人、特に用件が無くとも継続して付き合う人、とに分かれる。
世間は広く、かつ技術革新のスピードも速い。
このため、継続的に他業界の人と付き合っていると、様々な知恵・情報に接することができる。
これは非常に有効な情報収集手段であり、そういう人達との信頼関係は強固になる。



で、今回の田中氏発言は、完オフの場。
発言内容は、お粗末かつ重大な問題発言であることは事実であり、許し難いもの。


しかしながら、、、
1996年2月14日発表された、日本新聞協会編集委員会の内容。
同会は、オフレコ取材のあり方を再検討し、オフレコ取材に関する見解をまとめ、その基本原則を確認した。
オフレコ(オフ・ザ・レコード)は、ニュースソース(取材源)側と取材記者側が相互に確認し、納得したうえで、外部に漏らさないことなど、一定の条件のもとに情報の提供を受ける取材方法で、取材源を相手の承諾なしに明らかにしない「取材源の秘匿」、取材上知り得た秘密を保持する「記者の証言拒絶権」と同次元のものであり、その約束には破られてはならない道義的責任がある。・・・・日本新聞協会編集委員会の発表より抜粋)


同見解にもかかわらず、今回の報道を肯定した新聞社は、毎日新聞東京新聞、ニュアンスは異なるが読売新聞。
疑問を呈したのは、朝日新聞産経新聞日経新聞、、
肯定した2社、1995年11月、当時の江藤総務庁長官発言でも、今回と同様のことをした。



様々な事象、常に表があれば裏もある
大本営発表の様な、表の発表のみでは、真実を知ることはできないし、薄っぺらなものとなる。
裏・真相をしっかり掴んで、取材することにより、記事が熱く・深くなる、ことは自明。


この手法のひとつが、オフレコ取材のはず。
立場上、公式の場では言えないことも、オフレコでは、裏事情を引き出すことも可能だろう。
取材力があるなら、オフレコの場で、記者として議論することもできる。
そのことにより、事実検証、更なる深掘り、も可能
重なる、今回の様な事例、夜回りを含め、オフレコ取材に応じる官僚、政治家はいなくなるのでは??
信頼関係は完全に崩壊した、と感じる。



レベルは異なるが、ホテルの現地調査も同様のこと。
インタビュア能力により、成果が全く異なる、ことになる。
内容・精度共、大きく異なる。



各種の記者会見、記者の質問を聞いていると、?? と感じる場面が多い。
会見を設定した組織が配る「プレスリリース」、これをなぞるだけの質問がほとんど。
過去の経験でも「Q&A」の作成、非常に容易だった。
政治家への取材も同様。
切り口を変え、本質に迫る質問、ほとんど見えない
企業の配信する「プレスリリース」が紙面の大部分を占める、某有名経済専門新聞、情報紙としてみれば割り切れる。



しっかりと信頼関係を築く職人芸を持つ記者がリタイア、組織でのみ動き、思考する記者がほとんど?
新聞が面白くなくなってから久しい。
新聞 → 週刊誌 → 月刊誌、という深読みサイクルも無くなった・・・・
オリンパスによる経済事件でも、スクープといえる記事は無い。
切り込んでいく記事が非常に少なくなった、と思うのは自分だけ??


どーだろう・・・