ホテル施設の適正規模って? その3

日曜日、NHKスペシャル「原発危機・メルトダウン」、興味深く視た。
データに基づく再現に驚いたし、危機対策に対する不備を明確に指摘していた。
また、後知恵の部分はあるも、リスク管理に対する現状を反映している。
当方は違う、という根拠のない安心感で、米スリーマイル島事故の教訓が生きなかった、ということにも言及。
エネルギー計画における原子力発電、外して考えることはできないだろうが、原子力をコントロールできる技術が完成されるまでは、進めることができないのでは、との感想だった。



キムさんが逝去・・・・
キムさん家へ遊びに行ったのは随分前だったが、美食家かつ元気だったキムさんが懐かしい。
跡取り息子が3人いるが、お祖父ちゃん似の3男に、お世継ぎが決定した様だ。
国民生活が安定、世界と仲良し、の国にして欲しい、と願っている。



ところで、、、、
ホテル施設の適正規模、最後に「宴会施設」を考えてみた。


宴会施設の前に、前回書いた「料飲施設」の追加。

飲食業界、業態の流行り廃りのスピードが速くなってきている。
このため、ホテルといえども、相対的に短期間での業態変更が必要となるケースも出てくるため、これへの対応も考慮する必要がある。


また、前回は、都市圏ホテルの話を主としたが、リゾート施設のそれは異なる。
リゾート滞在の楽しみは、リゾート施設そのもの、各種アクティビティ、に加えて、、がある。
つまり、料飲施設は非常に重要なポジションを持つ。
また、滞在が長くなれば、「」に対する要求も多様化する。
このため、複数の業態が必要になってくることはいうまでもない。
ただし、季節変動(=需要変動)を考慮し、柔軟対応ができないと、運営効率は著しく落ちる


これらのことを適正規模と併せて考える必要がある。



で、宴会施設
非常に難しい判断が求められる施設。
国内ホテルの場合、宴会需要の多くは、地元需要
このため、域内需要の把握は当然のことながら、競合施設との相対評価も必須、となる。
宴会部門は、優れてブランド営業力に因るところ大であり、ホテルブランドにより、その判断は異なる。
宴会需要は「MICE」と表現され、総合型ホテルは、いずれも、その営業力・企画力を強化しているが、実績でみると、ホテル間の差が非常に大きい。
リゾートホテルでも、会議&インセンティブ旅行を受注するため、宴会施設を求める場合が多い、


市場(需要)分析を行い、ブランド営業力を加味した自ホテルのポジションを定めることが、まずの業務。
その後、マーケティングプランを策定し、必要機能をリストアップする。
その際、基準となる大宴会場の規模設定が、第一歩となる。
大宴会場の規模が決まれば、中小宴会場、付帯施設の規模・内容は、自ずと決まってくる。


この時、ホテル客室数も考慮に入れる必要がある。
つまり、大型施設にはそれなりの収容力を持つ客室が必要となる。


マーケティングプラン無くして大型施設を作ると、事業主は勿論のこと、運営する人が困る。
宴会部門は、相対的に、初期投資が大きく、かつ開業後のB/Eが高い



前職時代の話。
ある地方都市で、大宴会場を1500㎡とすべきか? 1200㎡とするべきか? 大議論になった。
当時は、大きいことは良いことだ、の考え方がまかり通っていた。
競合ホテルは、1100㎡、これを越え、他の追随を許さない規模を確保、との声が大。
300㎡の違い、厨房規模、家具庫、クローク、動線計画、調理人の数、全て異なってくる。
限られた床面積でのトレードオフ・・・・


他のプロジェクトを担当していたため、最終結論には参加しなかったが、1500㎡となった。
需要の少ない地方都市、フルスパン営業は賀詞交換会のみ、規模を持て余し、家具庫が狭く、サービス動線も悪い、とても困っている、と聞いた。
かつ、200室弱の客室数。
これは、企画屋の間違い、といわざるを得ない。


チェーンホテル内の代表的なホテルでの実績調査をしてみて、300平米以内の宴集会が70%を超える、となった。
運営効率確保の観点からみても、大宴会場はそれが欲しい人に任せ、このサイズの宴会場稼働を取り込む施設構成、これが現実的なのだろう。
大宴会場は分割使用可能、だから可能な限り大きくするべき、との声もあるが、厨房計画は全スパン使用での調理能力を準備する必要がある。

冷静な判断が求められる所以である。


これまで、主として、新規企画での適正規模について考えてきたが、既存ホテルのリストラについても同じこと。
過去の成功体験にしがみつかないで、大胆な施設リストラが必要、という場合も多々ある。



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