自然を守る。。。

先日のNHK、小笠原の自然、関連ニュース。
小笠原は、平成23年6月、『世界自然遺産』に登録された。
海洋島として独自の進化を遂げた固有の動植物が多く、クジラやイルカをはじめ多くの海洋生物が生息している自然豊かな島々、であることが評価された、とのこと。
http://www.vill.ogasawara.tokyo.jp/heritage/pdf/pamphlet.pdf

登録後、来島者が増加、これに伴う様に、外来種が入り込み、固有種への影響が出ている、と報じていた。
また、木の枝を折る、といった様なイタズラにより自然を傷つけるケースもあり。

自然は繊細、みんなで気をつけたい。



ところで、、、、
日本の豊かな自然環境を守る、環境アセスメントのこと。
事業別に一定規模を超えると、環境アセスメントを実施する必要がある。
環境アセスメント
開発事業の内容を決めるに当たって、それが環境にどのような影響を及ぼすかについて、あらかじめ事業者自らが調査、予測、評価を行い、その結果を公表して一般の方々、地方公共団体などから意見を聴き、それらを踏まえて環境の保全の観点からよりよい事業計画を作り上げていこうという制度


上位法は、環境省所管の『環境影響評価法』。
これに、各都道府県・政令都市で、条例を定めている。



現在、沖縄県内で、新規ゴルフ場開発の仕事をしている。
沖縄県には、沖縄県環境影響評価条例、他、関連条例、規則があり、これらを遵守する必要がある。
沖縄県でゴルフ事業を企画する場合、開発区域が20万㎡以上がその対象。
当然のことながら、今回のプロジェクトも対象、かつ公告済、即ち手続きは終了している。
当プロジェクト、計画面積110万㎡強、ゴルフ場とビーチリゾートの組み合わせ陸だけでなく、海も加わる
この環境影響評価を担当したT氏、前職時代から知っているが、沖縄の自然を知り尽くしたプロフェッショナル


一連の調査書、報告書等を積み重ねると、50cm程度になる大作。。。
わが事務所の専門家は、ゴルフ場修正設計作業の前に読了、遅ればせながら、自分も、先週から一連の資料を読み込んでいる。
読んでみてわかること
調査手法、非常に細かく、かつ忍耐力を要求される内容
調査期間は年間ベース、調査時間は夜間も当然の様にある
海洋生物調査、ダイバーも参加し、海中・海底を詳細に調査


環境アセス、対象は動植物のみでなく、大気環境水環境土壌環境景観環境負荷に影響を与える破棄物、等々、多岐にわたる。
また、建設期間中の工事の進め方等も対象となる。
沖縄には、ある時期、大問題となった、赤水対策という項目もある。
供用開始後の事後調査を継続する必要もある、等々、、、


長い期間のなかでの環境変化に伴い、生物にとっての生育環境が変わっており、その変化に対応できない生物は死滅する。
また、佐渡島の『朱鷺』の様に、絶滅したものもある。
朱鷺の事例でも分かる様に、いったん絶えてしまうと、復活するには、時間と膨大なコストが必要となるし、復活する約束もできない


そういった生物をリストアップした『沖縄県レッドデータブック』、生物を下記の様に区分けしている。
絶滅危惧種、危急種、希少種、地域個体群、未決定種
緊急度に応じた区分けだが、縁遠い故か、生物の名称をみても、イメージが頭に浮かぶものは少ない。


計画地に生息する、象徴的かつ分かり易い生き物、やはり、カンムリワシ(絶滅危惧種)、か。。。

 

こういう感じ。


植物では、バイケイラン(危急種)



この調査報告書等を読み進むと、沖縄の自然が良く理解できる。
かつ、守らなければ、という気持ちが強くなる。。。。
ゴルフ場開場までに、域内の動植物説明用の小冊子を作成する予算、事業者へ提案することにしている。



http://www.timeandtide.co.jp/