ブランドの約束

同世代、同種の職業(この場合、何々コンサル)かつ零細事務所経営、の人と話をしていると、考えていることが同じ、面白い。
同意した内容をまとめると、
・自分とアシスタント(もちろん、妙齢の女性)、計2人で仕事ができれば最高
・お金より後輩を育てる、ことに注力したいし、それが楽しみ
・仕事は選びたいし、媚びたくない
・自分の代限り、他の人が継ぐことはない
・70歳で上がり、後はバタバタしない
先日も、このような話で盛り上がった。



ところで、、、、
8月27日版・日経MJ、銀座ロックフィッシュで、立ち読み&立ち呑み
スターバックスコーヒーの記事が目についた。
同社CEOへのインタビュー。
見出し『第2の成長へ原点回帰
リード『成長力はすごいが、まだ中学生。・・・次の成長へブランドを磨く・・・』


スタバ、おいしいコーヒーに加え、家でも会社・学校でもない、サードプレイスとしてくつろいでもらう、というブランド価値を具現した業態として大きく成長。
店舗設計、ブランド基準をしっかり持っており、均質かつクール。
驚き、運営要員のスキル、サービスの仕方、等の店舗マニュアルはあるが、サードプレイスとしてくつろいでもらう、というマニュアルはない、という点。


確かに、『くつろぎ』、これはマニュアル化できないものかもしれない。
求められる『くつろぎ感』、時間帯によっても異なる。
しかしながら、そうなると、同じスタバでも、店によって空気感が異なる、ことになる。
現実に、長っ尻客への対応、店舗により異なる、とも書いていた。


スタバに限らず、飲食業態の店舗、利用者により、雰囲気が変わることは当然のこと。
店内の雰囲気・空気感、店舗と利用者により作られる
このため、立地環境により利用者が異なることになり、それに応じた『くつろぎ感』をマニュアル化することは困難なのだろう。


進出から16年間で、全国九百数十店舗、年商1000億円、このスピードには目をみはるが、数を追うと、一定の立地環境を確保、結果として均質な『くつろぎ感』を確保する、ということが困難、ということか。
多店舗展開でのブランド価値維持が非常に難しい、ことは経験済。


日本進出当初はプレミア感あふれる施設、都市型観光の東京土産として、持ち帰りコーヒー(豆)、人気があった。
オリジナルタンブラーも同様。
加えて、ティクアウトカップを手持ちし、街を歩く姿が格好良い、とされてもいた。
今はどういう状態なのだろう??


そうなると、ブランドストレッチ、を思い浮かべる。
スタバ・プレミア、スタバ、スタバ・エクスプレス、などなど、、、
楽しくかつ安易な検討だけど、これはどうだろう??


以前、スタバ・店舗開発担当の方から、ホテル内への出店を進めたい、と聞いたことがある。
都市型総合ホテルもそうだが、宿泊主体型ホテルへの出店、着眼点がよく、料飲施設運営が重たい、と考えているホテルにとって、相乗効果が出る。
新しい立地環境として、公園そばを意識している、とも書いていた。
これは、自分にとってのスタバイメージを含め、しっくりくる。
しかしながら、安定的な事業性確保、という点では心配。



ふと、気になって、JCSI(日本版顧客満足度指数)の2011年度調査結果を確認した。(数値は顧客満足度
カフェでは、1位:カフェベローチェ(72.8)、2位:ドトールコーヒー(72.1)。
2社とも、知覚価値(価格への納得感)のみ、業界中央値と比較して10ポイント程度高く他の項目は僅差
都市型ホテルでは、1位:帝国ホテル(80.6)、2位:ロイヤルパークホテル(79.4)。
ビジネスホテルでは、1位:リッチモンドホテル(79.6)、2位:スーパーホテル(79.4)。
両ホテル業界とも、1位企業は、6ある評価項目における業界中央値との差、6項目とも、平均して7ポイント程度高い
これが、カフェ業界とホテル業界の違いか。。。



スタバとは違うが、日比谷にある香港資本のホテル、丸の内仲通り側でカフェ営業

当初の設計にはなかったであろう施設。
同ホテルが訴求するプレミア感、またくつろぎ感ある施設? それとも??




記事を読み、昨日、銀座松坂屋裏のスタバへ行き、じっくり観察した。
1階+B1階の2層使い、大箱店舗。
立地環境、ベーシックな位置付けであろう店舗。
記事の意味することを思い出しながら、誰にとってのサードプレイス?原点回帰、そういうことか、と感じた次第。。。




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