就業環境の変化

恒例となった、NHK朝連ドラ『純と愛』へのコメント

  (純の通勤用自転車)
外資との合弁協議
宴会部門の利益率40%が低い、という。
ベーカリー、ペストリー、等を含め、不採算部門を切り離す、外注化、縮小。
年齢ピラミッド型の運営組織を解体、年齢に関係なく、実力本位。
(出来の悪い)宿泊部長、料飲部長が、スタッフレベルへ格下げ。
ホテル名をだましで変更。
合弁に伴い施設更新等を行っていたのだが、これらの工事を、舘さん演じる社長が全くのつんぼ桟敷に置かれていた、とも思えない。
ついでに、館社長も解任されるらしい。


進出する外資に対し、極めて悪い印象を与える仕立て、になっている。
旧来の国内ホテル、特に単独型のホテルは、良き時代を経験、また日本の雇用慣習による給与体系があった。
欧米型からみれば、非合理的、ぬるま湯の部分もあることは事実
したがって、反省・改善するべき点は多々あるも、ドラマとはいえ、もう少しなんとかならないものか。。。。



ところで、、、
ドラマを視ていて感じた、ホテルの収支に大きな要素を与える人件費、これを整理してみた。

ホテル事業の収支計画を立案する際の人件費の積算は、、、


まず、運営組織をつくり、要員配置を検討する。
新規事業は、運営要員の固有名詞がないため、GMを除き、標準的な5段階程度のポジション給与を設定する。
具体的には、
 一般職
  ランクA
  ランクB
 スーパーバイザー(主任・係長)
 マネージャー(課長)
 ダィレクター(部長)
のように設定、それぞれの職位に対する配員計画をたてる。
パートタイマーは、時間給を設定、標準労働時間で、その臨時給を試算。
こうすると、標準的な人件費が算定できる。
年齢・年功給は加味していないし、家族手当、住宅手当といったものもない。
昇給も考慮しない。


旧来の日本では、ポジションアップによる昇給の他、ベースアップ、年齢給、各種手当等の加算要素があり、それが頭に残っている。
また、退職金制度もある。


しかしながら、昨今の日系ホテルも外資系と同様、減員に加え、先に述べた様なポジション給を採用退職金制度を廃止、となってきた。
子供の数、という様な、個人的な事情も勿論加味しない
結果として、自分の給与を上げるためには、自ホテル内でのポジションアップ、の他、他ホテルでの上位職獲得を目指す、こととなる。
何ができるかで評価される実力の世界へ移行した、ことは間違いない。



昔、ある外資系ホテルの『マンニングコントロール』マニュアル、を読んだことがある。
非常にドライに、ポジション別配員数、給与、等をコストとして意識した内容、だった。
どこをたたいても、人財、という言葉は出てこない。
自分の職務を誠実こなすことが求められており、効率重視で運用するためのマニュアル。


一方で、『レーニングプログラム』は充実している。
運営要員のレベルアップを図り、求めるレベルまで引き上げる工夫も多々ある。
ただし、ついていくかいかないかは自己責任
ついていくことができなければ、ふるい落とされる。


現在のホテルビジネスとは、そういったものなのだろう。



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