事務処理が変わることで、何が必要?

JR博多駅・博多口から徒歩2分、今年4月に開業したホテル『ブラッサム博多中央』1階にあるレストラン『ごちそうダイニング ななつの花』。
宿泊主体型ホテルでは、ややもするとレストランは手薄になる。
これを、「ぶどうの樹(グラノ24K)」と組み、話題性ある高品質のレストランに仕上げたことが画期的な企画。
宿泊客への高品質の朝食提供に加え、街に顔を向け、事業性確保を目指している。
話題性あるレストランを持つホテル、ホテルとしての認知度も早期に上がる。
朝食を大事にすることがホテル営業にも好影響を与える、ことは事実
 ぶどうの樹HPから転載
この様な朝食を摂ると、一日が元気になる、こと間違いなし。



ところで、、、
先日、複数の宿泊主体型ホテルに泊まることがあり、事務処理の違いに気づいた。
同タイプのホテル、チェックイン時に宿泊料金の支払いを済ませる(前精算と称している)ことが多い。


宿泊特化型/宿泊主体型ホテル、前精算する理由を質問したことがあったが、『チェックアウト時にお待たせしないため。』、という説明が多い。

当日予約、予約無し( Walk in )の場合、デポジットをお願いすることは理解できる。
前精算というが、本来はデポジット
デポジットとして「預り証」を発行、チェックイン時の処理時間がかかる。
また、チェックアウト時、ゲストフォリオを発行するため、総所要時間は変わらないのでは? という感想を持っていた。


整理すると、次の様になる。
共に、前精算をいわれた時、クレジットカード支払とした。
ホテル1 
 チェックイン時、宿泊料金をクレジット精算、「売上票」(のみ)を手渡された。
 チェックアウト時、ゲストフォリオをプリントアウト
 そのフォリオの内容(4月1日から1泊)
  4月1日 XXカード -10000円
  4月1日 宿泊料金   10000円
       バランス     0円
  
ホテル2
 チェックイン時、宿泊料金をクレジット精算、「売上票」に加え「お預り証」を手渡された。
 チェックアウト時、ゲストフォリオをプリントアウト
 そのフォリオの内容(4月5日から1泊)
  4月5日 チェックイン精算(クレジット) -10000円
  4月5日 宿泊料金      10000円
       バランス        0円

ホテル3
 チェックイン時、レジカードを記入、渡された客室カードキィにより、チェックインマシンへ。
 機械で精算、ゲストフォリオも併せてプリントアウト。
 チェックアウト時は、係員が端末を確認、他の利用が無い場合、追加の手続き無し。
 このホテルのチェックアウト所要時間が最短。
 そのフォリオの内容(4月8日から1泊)
  4月8日 ご請求額    10000円(下段に明細印刷あり)
  4月8日 クレジットカード  -10000円
       バランス      0円


いずれも到着日に売上&精算されているが、ホテル3は別として、「クレジット売上票(本人控)」のみ、と「お預り証」を併せて発行する、の2種類の事務処理となっていた。
現金の場合、ホテル1でも「お預り証」を発行しているとのこと。
つまり、クレジットカードの場合、売上票(本人控)があるから不要、との判断だろう。
しかしながら、ホテル2、「お預り証」を発行しながら、フォリオでは精算済となっていることはどうか
クレジットカードによる前精算、「お預り証」を発行しているホテルは非常に少ない、との友人の弁。


従来、当日予約、予約無し( Walk in )の場合、チェックイン時、デポジット(概ね、宿泊料金+20%程度のキリの良い金額)を要求、現金支払の場合はその現金、クレジットカードの場合は事前認証、が一般的だった。
かつ、現金の場合は端末入力も行うため、Dカード、ジェネラルキャッシャーズレポートにその取引が残る。
つまり、各勘定に足跡が残ることとなる。
預り現金を投金庫に入金せず、フロント会計で保管、翌日振替処理とする、簡便法もあるが、、、


客室の売上・精算に対する考え方が変わってきた、ということか。
当日売上・当日精算、ということは、商品を販売、POSで売上登録&精算、と同義にうつる
その他の利用がない場合、宿泊日の夜締めで、バランス=0、となり、Net outstanding(滞在客未収勘定)=0、ともなる。
スッキリしている、といえばすっきりしている。
一日の締めとなる、夜のフロント会計チェック、フロントのメンバーをみる限り、簡素化されているのだろう。


インターネット販売が進み、提供される客室料金は非常に多様化している。
また、チェックインマシンを使用するケースは除き、PMS導入が進み、ゲストフォリオ(領収書)のプリントも自由自在、システムによっては、会計監査は非常に難しい状況となっている。
処理は簡素化に向かう、ホテルスタッフの雇用環境も更に流動的になっている、こういった現実に即した対応が必要になってくる。
つまり、全体を見渡し、最適な処理システムを考える必要がある、ということだろう。



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